2014年12月17日
破産管財人が破産者の事業を継続してその目的を達成した事件が終了しました

 平成26年9月29日,岡山地方裁判所津山支部において,当事務所の加瀬野忠吉弁護士を破産管財人とする破産事件(破産者協同組合津山総合食品卸売市場)が終了しました。

 この事件は,租税債権(優先的破産債権)を有する津山市が債権者として申立てを行ったものですが,破産手続開始決定後,破産管財人は,裁判所の許可を得て,破産者の事業を継続し(破産法36条),津山総合食品卸売市場の運営を行いました。

 事業継続を行った理由は,津山総合食品卸売市場が岡山県北地域の食品流通の重要な拠点であり,直ちにその事業が廃止された場合,地域住民の生活に悪影響が及ぶおそれがあることから,これを回避するために同市場に代わる新たな食品流通の拠点を整備する必要があったからです。

 そして,事業継続期間中に,同市場内の事業者によって,新たに2か所の食品卸売市場が開設され,懸念された地域住民の生活への悪影響を回避することができました。また,申立人である津山市に対しても,一定の租税債権等(財団債権)の弁済を行うことができました。破産者の事業継続が一定の成果をあげた事例です。